田中佑也
大分県立病院への出向
当教室では専門研修プログラムに3ヶ月間大分に出向する期間があります。
大分県立病院の救命救急センターは平成20年に開設され、県内3箇所目の第3次救急医療施設です。県内のほぼ全域の緊急度・重症度の高い重症患者や特殊な疾患の救急搬入患者を優先して受け入れています。また、様々な医療機関からの患者搬送、ドクターカーやヘリを活用した救急患者搬送、事故・災害現場への医療チーム派遣もおこなっています。
3ヶ月と短い期間でしたが、多くの症例を経験することができました。外傷性くも膜下出血を伴った交通外傷、農薬誤飲による有機リン中毒、重症型薬疹であるTEN (Toxic Epidermal Necrolysis)、長期臥床による横紋筋融解症と急性腎不全、妊婦のシートベルト損傷などです。当直は基本的に研修医2名とともに計3人で対応します。自分が初療のリーダーを担わないといけないので、不安なことが多かったです。
病院が違うと他診療科との関わり方も異なり、苦労することもありましたが、大学病院よりも密接な関係があるように感じ、多くの先生に助けて頂きました。これまであまり経験することがなかった脳外科領域の術後の集中治療管理も勉強になりました。
また、ドクターカーで出動した際には、現場での緊張感や搬送中にできることの限界を知ることが出来ました。大分空港の大規模な災害訓練にも参加させて頂き、現場でのトリアージの難しさを経験できました。
大分県立病院の医師、看護師、研修医は皆優しく、多くの方々に助けて頂きました。大分の海産物はとても美味しく、様々な職種の方と飲みに行ったり、研修医と温泉に行ってみたりと毎日が充実していました。大分県立病院の皆様、貴重な経験をさせて頂きありがとうございました。