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杏林大学医学部附属病院

守永広征

杏林大学医学部救急医学の出向制度について

杏林大学は3次救急の初期蘇生、集中治療室管理、手術やインターベンショナルラジオロジー(IVR)などの治療介入を一括して行っておりますので重症救急患者の初期治療から集中治療管理までの一連の診療を経験することで救急患者の診療の仕方をまず学びます。その後は各自が希望する出向先でサブスペシャリティ領域の研修を行います。

平成21年に杏林の救急医学に入局しサブスペシャリティとして放射線科を選び、日本医学放射線学会の放射線科画像診断・IVR専門医とIVR学会のIVR専門医を取得する道を選びました。国立病院機構災害医療センターで救急画像の読影や重症外傷を含む緊急IVRについて2年間勉強させていただきました。大学に戻り救急医療に再度従事し救急科専門医を取得しました。その後、さらに2年間は愛知県がんセンター中央病院の放射線診断・IVR部に出向しOncologic IVRnon-vascular IVRの技術を習得しました。平成29年に画像診断専門医、IVR専門医の取得に至りました。

今後は救急医療においてサブスペシャリティ領域の知識や技術を活かして診療にあたる次第です。

 

災害医療センターの出向時の在籍メンバー

救急と放射線科を学ぶことの魅力に関して

救急診療において画像診断は重要な役割を担います。近年はCT技術の進歩により外傷全身CTなど広範囲撮影が可能になり、短時間で画像を作成することができるようになりました。短時間で正確な画像診断を行う技術が要求され、放射線科スペシャリティの果たす役割は大きいです。

また、膿瘍、胆道系、尿路系のドレナージ、出血や外傷の止血のための経動脈的カテーテル塞栓術(TAE)も救急領域では必要とされます。近年は大動脈瘤破裂に対して大動脈ステントグラフト内挿術も行われるようなり、画像作成やIVR技術による補助なども行われています。今後ますます放射線科領域の技術の重要性が大きくなると予想されます。大変やりがいのある領域であると思います。


 

愛知県がんセンター中央病院出向時の在籍メンバー


将来の医局員へのメッセージ

現在、杏林大学救急医学には放射線科に出向している若手が数名おります。外傷診療では早期にTAEの治療を完遂することが求められます。IVR治療に関しては術前画像読影や画像作成、術者と助手などの業務を少人数で行いますが、今後放射線科領域に携わる救急医がさらに加わることでより短時間でより正確に治療を行えるようになります。救急領域のサブスペシャリティとして放射線科領域もぜひご検討いただければと思います。

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