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外科の選択
私は富山大学を卒業し、長野県の病院で初期臨床研修を終え、医師3年目から杏林大学高度救命救急センターに勤務しています。当院で2年間の後期研修を終え、サブスペシャリティー獲得のために出向先を決めることになりました。私の学年は私の他に同期が4人おり、それぞれ出向分野を決めていく中、私はなかなか決まりませんでした。もともと臓器や手技別の科ではなく、総合的に考え、対応を行えることを目標に救急を選択したため、いざサブスペシャリティーを決める際には困ってしまいました。幸いにして、同期他4人が外科以外を選択したため、外科が選択肢として挙がりました。外科は初期研修のときにローテートしましたが、当時はあまり外科の魅力に気づくことができませんでした。当院の救命救急センターは初期診断と振り分けだけではなく、積極的治療の希望がある重症度の高い患者については救急医が主治医となり、入院後の治療を行っています。救急医を選んだ以上、最終的には自分の手で処置を行いたいと考えていたため、外科手技に自信を持つために外科を出向先として選択することとしました。
3年間の外科研修
私の場合は1年目荻窪病院外科、2年目都立広尾病院外科、3年目は大分県立病院外科に出向しました。主に消化器外科を学びましたが、呼吸器外科や心臓血管外科も学ぶ機会を得ました。手術の多くが悪性腫瘍などの定時手術であり、解剖や術後管理を学ぶ良い機会となりました。全国的に重症体幹部外傷は減少傾向であり、外傷手術を一般外科で経験することはほとんどありませんでしたが基本的手技の応用で対応ができると思われました。
外科出向したものとして、これからの目標は外科出向ではなかったメンバーに苦手意識を持たせず、外科手技の敷居を下げることで患者の治療に還元していきたいと思っています。外傷手術は定時手術にはない、バラエティーの多さと緊迫感があります。重症患者の救命には外傷に限らず戦略と戦術、チームワークが必要です。外傷症例に関わらず是非、私たちと一緒に、重症患者を救命しましょう。