放射線医学研究所との被ばく医療合同訓練
放射線医学研究所との被ばく医療合同訓練
2023年7月12日、放射線医学研究所(放医研)と杏林大学救急医学教室は、共同で被ばく医療(注)に関する合同訓練を行いました。
山口教授率いる当教室は、東海村JCO臨界事故や福島原発事故といった過去の核災害事例を通じて、放医研との連携を強化してきました。
この訓練では、被ばく医療に特化した放射線医学研究所(放医研)と、重症熱傷、外傷、薬物中毒患者の高度医療を行う杏林大学救急医学教室とが協力して開催いたしました。
訓練には救急医学スタッフ、後期レジデント、看護師、薬剤師、放射線技師、臨床工学技士が参加しました。
訓練は昼から夕方にわたり、放医研の専門家による講義と、高度救命救急センターでの被ばく医療シミュレーション訓練でした。被ばく医療は頻繁に発生するものではないため、日常的な訓練が重要であり、緊急時に迅速かつ適切に対応できるよう準備することが必要です。
放医研の富永先生他、専門スタッフの方々には、この訓練の実施に対して心から感謝申し上げます。今後も連携を深め、被ばく医療の分野でのさらなる進展に向けて共に努力していきたいと思います。
注
「被ばく医療」とは、放射線被ばくを受けた患者様に対する医療のことを指します。一般的に放射線被ばくは、放射線治療や診断用の放射線検査、放射線事故などの状況で発生することがあります。
被ばく医療は、被ばくを受けた患者の診断や治療、健康管理に関する専門的なアプローチを提供する医療の一環です。被ばく医療の目的は、放射線被ばくによる健康影響を最小限に抑えることや、被ばくを受けた患者の適切な管理を行うことです。このためには、被ばく量の評価、症状の管理、治療法の選択、健康状態のモニタリングなどが含まれます。
放射線被ばくの種類には、外部被ばく(放射線源からの直接的な放射線照射)と内部被ばく(放射性物質の摂取や吸入による被ばく)があります。被ばく医療は、これらの異なる被ばく形態に対して適切な診断や治療を提供する役割を果たしています。
被ばく医療は、被ばくの種類や状況に応じて専門的な知識と技術を必要とする分野であり、放射線安全性の観点から非常に重要です。放射線被ばくのリスクを最小限に抑えつつ、患者の健康と安全を確保するために、専門家の指導のもとで行われます。
放医研スタッフによる被ばく医療の講義
講義:測定器の使い方
被ばく医療シュミレーション
被ばく医療参加スタッフ
文章作成者:守永